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プロからのお役立ちコラム

2007年 07月 2日

賃貸借契約の締結と連帯保証人について

不動産賃貸のトラブル処理に携わるにあたって感じることは、連帯保証人の重要性です。連帯保証人は、賃借人が賃料の支払いを遅延した場合に賃借人にかわってその支払いを履行するというだけではなく、例えば、賃借人が賃料の支払いを遅滞したまま明渡しを行わないような場合や賃借人自身が行方不明になってしまったような事例でも、事実上ということではありますが、きちんとした連帯保証人がついていると、明渡しに向けて連帯保証人の協力が得られ、トラブルの解決がスムーズに進むこともあります。
 ところが、契約実務の中では、賃借人に関する確認までは行われていても、連帯保証人に関しては十分な確認が行われていない事例によく遭遇します。
 連帯保証人の保証能力がきちんと検討されていないというだけではなく、賃借人と連帯保証人の欄が同じ筆跡になっておりそもそも連帯保証契約の締結に関する立証が出来ないという事例さえ散見します。
 これは、連帯保証人が賃借人と比較するすれば付随的な立場にすぎないという意識があるために、契約締結にあたって余り重視されていないためにおこるのでしょうが、上述のとおり何かおこったときに連帯保証人が果たす役割は非常に重要ですから、契約締結にあたってその点をおざなりにすることがないよう気をつけなければなりません。
 具体的には、新規の契約にあたっては、必ず連帯保証人本人に署名をしてもらうこと、本人の印鑑証明書の提出を求めること、可能であれば源泉徴収票など連帯保証人の資力が判断できる資料の提示を求め保証能力の有無を精査することなどが重要です。
 連帯保証人の人柄まではなかなか把握できないとしても、連帯保証人と賃借人の関係から何かあったときにはきちんと賃借人に働きかけることが可能な人物を選ぶことも重要です。この点、例えば、賃借人会社、連帯保証人会社代表者という事例をよく見ますが、このような契約になっていると、賃借人会社の経営が行き詰まった場合に連帯保証人である会社代表者も共倒れになり、結局連帯保証人の実効性が期待できませんので、さらに第三者的な立場の連帯保証人を求めておいた方が無難です。
 また、殊に継続中の契約について連帯保証人を変更する場合、賃借人に滞納履歴があることを伝えずに連帯保証人と契約を結ぶと、錯誤等で連帯保証契約が無効になる可能性もありますので、連帯保証人にきちんと客観的な状況を説明し、出来ればこれを文書化して連帯保証人の署名捺印をもらっておければ万全です。
 「賃借人がしっかりしているから大丈夫だろう」ととかく考えがちですが、問題が起こったときには連帯保証人が非常に大切な役割を果たすことを明記して、契約締結にあたっても慎重に対応し、あるいは、そのようなところまで目の届く信頼できる仲介業者を選ぶなど心がけたいものです。
弁護士 手島万里

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2007年 05月 25日

住宅金融公庫の廃止

住宅ローン専門の公的金融機関として長年にわたり大きな役割を果たしてきた住宅金融公庫が、2007年3月31日をもって、その57年の歴史に幕を閉じました。
住宅金融公庫は、戦後の深刻な住宅不足を解消するため、1950年に国が設立した政府系金融機関です。国民の住宅取得促進という目的を掲げ、これまでに1944万人、戦後に建設された住宅の35%に対して融資を実行してきました。しかし、一方で公庫には、かねてより民業を圧迫しているという批判があり、また、補給金として多額の税金が投入されていることが問題視されていました。近年では、超低金利により公庫離れが進んだこともあり、政府の特殊法人改革の中で見直しが図られた結果、2001年12月策定の「特殊法人等整理合理化計画」により、この度の廃止が決定されました。

 廃止となった住宅金融公庫は、4月1日より独立行政法人住宅金融支援機構へと生まれ変わりました。住宅金融支援機構は旧住宅金融公庫の権利・義務を引き継ぐため、住宅金融公庫の融資を利用している人は、今後もこれまでと同じ融資条件のまま住宅ローンの返済を続けることができます。返済方法の変更や繰上げ返済についてもこれまでどおりに行うことができます。また、同時に(財)公庫住宅融資保証協会も解散しましたが、同協会による団体信用生命保険の保障はそのまま機構に引き継がれています。

 ただし、機構では、つみたてくん(住宅債券)の積立て者および住宅積立郵便貯金の利用者に対する経過措置や、機構の指定する災害の被災者に対する災害復興住宅融資等を除き、個人のマイホーム取得に対する直接融資は廃止され、証券化支援業務が事業の中心となります。

証券化支援業務とは、民間金融機関が融資する長期・固定金利の住宅ローンについて、ローン債権を機構が買取り、証券化して投資家に販売する(買取型)、あるいは証券化されたローン債権に対する元利払いを機構が保証する(保証型)ことでローン債権の証券化を支援するものです。この仕組みによって提供される長期・固定金利の住宅ローンは「フラット35」と呼ばれ、公庫時代の2003年10月から商品化されています。

旧住宅金融公庫のローンには、①低利の長期固定金利であること、②建物に対する要件は厳しいが、利用者に対する収入以外の要件が緩やかであること、という2つの大きなメリットがありました。
公庫融資がなくなっても、これらのメリットは、前述の「フラット35」に引き継がれています。また、最近では、銀行によっては「フラット35」よりも金利の低い長期固定金利ローンが提供されるなど、民間住宅ローンのバリエーションも豊富になっています。さらに、金利はもとより、保証料や繰上げ返済手数料などの諸経費についても、金融機関によってかなり差が生じるようになっています。「フラット35」にしても、取扱い金融機関によって金利は異なるのです。

「住宅ローンと言えば公庫」という時代は終わりました。これからの住宅ローンは、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して、賢く選択することが重要です。

                 
            
ファイナンシャルプランナー 鈴 木 克 昌

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